株式会社富士溶工 INTERVIEW

最初から諦めない姿勢

鳥井社長との出会いは、共通の知人を介しての食事会でした。今から約15年前、お互いに代表取締役社長に就任する前の出来事です。今のように仕事を依頼し合うようになったのは、当社のお客さまが塗装会社を探していたので、何社かご紹介したところ、先方が鳥井さんを選んだことから。その時に仕事ぶりを見て、「できません」ではなく、「どうしたら、実現できるかを考えましょう」という姿勢からのスタートであるところに信頼感を持ちました。一般的に職人気質が残るこの業界、自社のやり方へのこだわりが強いゆえに、仕様や納期など柔軟に対応してもらいにくいところがあります。その点、鳥井さんは柔軟に考えてくれるから相談もしやすいんです。

相談しやすさが、心強さにも

当社は急ぎ案件も受ける“特急の便利屋”であると自負しています。リーマン・ショック時、他社が納期等の理由から受けられないと断った急ぎ案件を多く受けて信頼を得たことで、今があるからです。その時に、どこにも対応してもらえずに困っている声を多く聞いたから、今でも可能な限り対応したいと考えています。ただ、塗装も含めてなど、当社だけでは対応しきれない案件は、本来であれば躊躇してしまうもの。しかし、鳥井さんになら相談してみようとなるので、その場で断らずに済みますし、相談するといつも「なんとか、やりましょう！」と前向きに応えてくださるので、私たちも「よっし！　やろう！」と気合いを入れていただけるんですよね。

その心意気に、胸が熱くなる

飲食店の内装を手がけるようになった当初、ハイクオリティの美観性を求められる仕事を引き受けたことがありました。当社としてその分野の経験が浅く、お客さまが求めるクオリティになかなか到達できず、苦戦。開店日が迫る中で焦りつつも、終わりが見えない状況で、工場で必死に作業を続けていたら、深夜0時頃だったでしょうか。工場の駐車場に車が止まり、鳥井社長をはじめ、社員さんが「間に合わんでしょ。手伝いに来ましたよ」と道具を持って颯爽と登場。私たちが作業する隣で、塗装してくれたんです。まるで映画のクライマックスのような場面でした。そんな心意気溢れるエピソードが、この約15年のお付き合いの中に、数々あります。

仕事に対して誠実だからこそ

当社は特殊車両からスタートし、造船、洗車機、食品・製薬分野の機械、さらには店舗の内装など、お客さまの声に寄り添ってきた結果、さまざまな分野に挑戦してきました。思い切って挑戦し続けられる1つの理由には、助け合える関係性の鳥井さんがいるからこそ。共にお客さまの要望に応えたいという一心で、誠実に、常に最新技術を追求し、できることを増やし、新たな可能性を切り拓いて進化してきての今なんです。鳥井さんは「日本一の塗装企業をめざす」と宣言されています。長年、その仕事ぶりを見てきて思うことは、無謀な夢ではないということです。これからも共にお客さまのために切磋琢磨し合える関係性でありたいと思っています。